氷の美姫---サダクビアは、ライナスの前世である、エルタニン王国の王、ラス・アルハゲの妹姫だった。
妹といっても、この二人は父親である先代王が、生涯独身が鉄則の巫女であった女性を王妃に迎えて産まれたため、忌むべき者として扱われ、サダクビアは神殿が引き取った。

お互いを知らずに育った二人は、やがて再会するが、兄妹だと知らないまま、恋に落ちてしまう。

‘サーラ’と名乗ったサダクビアの本名を知らないラスは、神官の陰謀によって、‘サダクビア’を氷に封じる書類にサインしてしまい、事実を知ったときはすでに遅く、さらに兄妹の間柄だと知る。

どうあがいても現世では結ばれないと悟った二人は、誓いを立てる。
サーラは類い希なる力の持ち主だった母巫女の能力を受け継いでいるため、封じられても生き続けられる。
ラスは今生をまっとうし、生まれ変わってサーラを捜す。

来世で、きっと再会しよう---。

そして、その誓いは今、ライナスによって果たされたのだ。