私は彼らと協力し、ラス様をお守りしつつ、サダルメリク様を王としてお助けしてきた。
近衛隊の協力があったとはいえ、サダルメリク様・・・・・・いや、メリク・アルハゲ陛下の存在を隠し通せたのは、奇跡に近いであろう。
おそらく、トゥバンの加護があったものだと思う。

思い返してみれば、ラス様・メリク様は、最もトゥバンに愛された王族ではないだろうか。
全ての運命の岐路に、トゥバンが関わっている。

だとしたら、きっとこれからも大丈夫であろう。
私も安心して、トゥバンの元へと逝ける。

最後に、私がこの事実を書き残そうと思ったのは、きっと来世、これを必要とする者が現れるという予感があるからだ。
その者がどういう者かはわからぬが、この国に、というより、ラス様かメリク様に関わる者であろう。

この本自体、見つけるのが難しいかもしれぬが、少しでも役に立てば、幸いである。