「俺も…さ、見てたんだ」


見てたって…何を?私は首を傾げながら見ると、三谷くんは笑った。


「俺が見てる時、七岡は見てないんだもんな。俺、ずっと七岡の事見てた」


…へ?


「必死でノートとってる姿とか、サッカーしながら下校していくの」


三谷くんが…私の事を?
私…を見ていた…って事は。


「だから、気持ち悪いなんて思わねえよ。…むしろ嬉しい」


私の手を掴んで立ち上がった。


体がびっくりして、よろめく。
抱きしめられたような体勢になっていた。


…というか、なってる?


「な、これからも勉強教えてくれるか?」


私は顔をあげて、頷いた。



ストーカーばりに、ずっと三谷くんを見てたのに。
まさか三谷くんが私の事を見ていたことに、気がつかないなんて。


それを話したら、三谷くんも、同じ事を思っていたみたい。



三谷くん、これからもずーとずーっと。
見ていてもいいですか?






●END●