「それで少なくとも傷ついた私がいた」
「お互い様じゃないですか?」
「っそう、だけど……っ」
グッと言葉に詰まった。
そして、またイライラ。
「あぁ!もう!湊の事ばかり考えて悩んでグダグダするの馬鹿みたい」
自分でも何を言っているのか分からなかった。
それでも今度は本気で奪うつもりでボールに手を伸ばした。
「っ!」
が、掴んだのは空気。掴まれたのは私の腕。
急な事で何が起こっているのか分からず、湊から目を離せなかった。
真剣な目で私を見ている。
「みな「先輩。それは俺が好きって事ですか?」」
ボールは転がって私の足にぶつかった。



