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自分の体力のなさを今ばかりは呪う。開始10分で既に体力を消耗していた。
「ここちゃん先輩。もう疲れてるじないですか。諦めたらどうです?」
「……勝たないと。このままグチャグチャな気持ちは嫌だ」
右手を出せばボールは左にバウンドし、左手を出せばボールは右手を移動する。まるで遊ばれているようだ。
「っ。湊と居るとムカつく。なのに居ないとモヤモヤする」
「まだ勝負中ですよ。文句言うのは反則です」
制止されたけど、口を開くのは止めなかった。
一度口を開くと閉じれない。何かが外れたように口から言葉が零れた。
「……時々いいやつなのかもって思った時もあった。でも直ぐに嫌な態度取るし……」
跳ねるボールを目で、手で追う。動作こそはボールを取ろうとしているけど、自分に取ろうとする意志はもうないのだと気がついていた。



