ふぅ。と溜め息を吐いて、愛架の元に戻ろうかどうかを考え始める。


まぁ、でも、何だかんだ湊は頑張ったよな。うん。よくわかんないけど。


「湊、お疲れ」


これくらいは言ってやらないと。


だが数秒、目を見開いて固まった。


そんなに私が言うのが意外か。これはよく愛架とかにも言うんだぞ。本気で頑張ってる人に対しては当たり前だよね。


脳内で言い訳のような言葉を展開していると、急に勢いよく立ち上がって、水道に行き、蛇口を捻り、頭から水を被った。


「はぁ!?何やってんの!?」


「汗かいて気持ち悪かったんです」


「バカでしょ」


本気で呟いた。


頭から被るから髪はびしょびしょで水が滴っている。ポタポタと水が落ちる。


「拭くものあるの?」


「ないです。あー……ガーゼも取り替えてもらわないと」


バカだろ。ともう一度心の中で呟いてわざわざ教室に戻ってタオルを貸してあげたのだった。