降りて人の集まる所に近づくにつれて声が鮮明に聞こえてくる。


ちょっと間に割り込ませてもらって湊が見えた所で足を止めた。


「まだ試合続行できる」


「でも、目を診てもらわないと……」


「平気だって!」


また思わず溜め息が出ると共にいつものように喧嘩越しの言葉が漏れた。


「アホか」


私がそう言うからなのかピタリと口を閉ざしてこちらを見た。


左目から流れる血が痛々しい。


そこまでして試合続行しようとする意気は偉いし、私には真似できないない。


だけどさ、やる気と無理は別。


「引くときは引かないとだよ。ほら、立って保健室に行くよ」


グイッと手首を引っ張るとフラフラと歩き始める。


意外な反応に正直驚いた。が、そんな場合じゃない。


「湊は私がちゃんと連れて行きますから試合は続けて下さい」