試合の半分くらいそんな調子が続いただろうか。
今度は歓声じゃなくて悲鳴がにも似た声が聞こえた。
「わっ、わっ!血!湊くんが!わわわ!」
「何?」
テンパる愛架にただ事じゃない物を感じ、立ち上がった。勢いのあまり口の中にあった真新しい飴を噛み砕いてしまう。
次に見えた光景は人に囲まれた湊と、目だろうか。そこから血が出てる。
「え、あれ、え、何?」
「えと……多分、ボールパスした相手の爪かなにかがが当たったんだと思う。ボールには
ぶつかってなかったから」
だとしてもあの血の量はおかしくなくない?大丈夫なの?
駆け寄る事も忘れ、上から見ていると何かを言われているけど仕切りに首を振っている。何かを言い争っているようにも見える。
心配しながら見ているとパタパタと走る音1つ。
「あ、あの!ここ、先輩?」
「へ?篠田さん」
「篠田さん……?」
あの時は顔がよく見えなかったけどなるほど。愛架が反応するのもわかる。
だけど、初対面なのに何の用だろうか。それに今は湊が緊急事態だというのに。



