「本当にもったいない」
「もーいいよ。それ聞き飽きた」
何度目かに聞いた台詞を言うのは友達の愛架。朝の出来事を話す度こうだ。
初めに断っておくけど、自発的に話したんじゃなくて愛架が話せというから話したのであって不本意な事だ。
それにうんざりして机に体を預けると、聞きなさい。と怒られたので一応ながらちゃんと座った。
「いい?湊くんはね、一年生の中でもトップクラスに人気な子だよ?何よりあの顔!綺麗……」
「……」
一気にテンションが下がったのでまた体勢を崩そうとするとやっぱり怒られた。
「そんな子が何であれ話掛けてくれるんだよ?これを物にしないと!何が不満なの?十字で答えて」
「年下に興味ありません」
「うっ。ピッタリ十字。難癖つけるなら句読点も考えるべきだね」
悔しがる意味が分からないけれどそこで話が途切れたようなので安心した。
項垂れるのに精一杯のようだ。