ようやく、帰るか。と立ち上がった時、あるものが目に入った。


青い星のピアス。


「……?」


ピアスなんてするっけ?


「ねぇ」


気になって未だに項垂れてる病人に声を掛けた。


「な、何ですか?」


「ピアスなんて開けてたっけ?」


指を指しながら言うと今の今まで動揺していた朔はピタリとネジが止まった人形のように動かなくなった。空気が気まずくて仕方ない。


「……えっと、じゃあ帰るね」


声を掛けようか迷ったけど結局は逃げるように鞄を持ち、部屋から出た。


マズイ事を聞いてしまった気がする。


聞かれたくない事の1つや2つあるものだ。きっと触れてはいけない事だったんだろうな。


空には星がよく見えるのに何だかまた、雨が降る気がした。