早稲田のキャンパスがある高田馬場や、慶應の三田キャンパスなどは受験のときに行ったきりで、しばらく足を運んでない。


 開告大も学会がある。


 いわゆる研究報告会だ。 


 あたしは開告大が他大学と連携して、その先鞭を取っているのを知っていた。


 そういった催し物があるときは東京や大阪などに行くことがある。


 でも、新宿や品川などのホテルに泊まれば、


“ここは人間の住むところじゃないわね”


 と思っていた。


 これは本音である。


 大会が終わってしまえば、すぐに地元にとんぼ返りしていた。


 あたし自身、大学四年間でいろんな研究をしてきた。


 大学に残るにはまとまった量の研究論文を執筆したり、教授や准教授などのお手伝いや、学部生たちへのティーチングアシストタントなどが必要だったからだ。