4月の初め頃、春というのに、桜は既に散り始め、焼き付くような太陽が、あたしの肌をジリジリと刺す。 周りには何故か柄が悪そうな奴らが、ウジャウジャ。 「……え?」 そう呟いたのはあたし、中村彩。 現役の高2。 中村財閥の令嬢。 厳しい家系に縛られ、自由が利かない。 髪は茶色がかったショート。 ホントは、伸ばさなきゃならないし、染めてもダメだけど……これは、あたしなりの小さな反抗。