後輩に良いとこ見せようとしたのだろうか。的外れなボールの軌道。


「飛びすぎっすよセンパ――」


走りながら、苦笑してしまう。

行方を目で追っていると。マズい方向へ向かっていた。


「ちょっ、そこの人!あぶな」


――ガンッ


不運にも頭にクリティカルヒットしてしまった。頭をさする、痛いなんてもんじゃない。


「ったぁ…」


これが、浜崎真尋。


初対面の出逢いは真尋の間抜けな姿。ボールを手に取り犯人は誰かと回りを見渡す。

するといかにも口元を緩めて必死に笑いをこらえている登駕。


「サッカー部にしては的外れすぎでしょう…」