「…なにが?」 「いや、登駕が俺の前以外で寝息たてることないんで」 神経質なんすよ、とニッと白い歯を見せて笑う。いや、そんなの知らないし。 「わたしが来たら寝てた」 「普段は起き上がります。安心感なんですかね」 「さあ」 名前を呼ばれたこと(あれ多分そうだよね?!)を思いだした。別にときめいてたりとかはしてない…はずだ。 「真尋さーん?」 「ん?」 ひらひらとスコーンの入った袋を振る逞磨くん。 「あ、あげるよ。登駕へのお礼だし…」 「なんのお礼ですか」