「……もしもーし」


イケメンは得だ。目を閉じてても、顔が整っているんだから。不覚にも、ドキドキしたわたしがいた。


お礼に持ってきたスコーン、近くに置いておこうかなと思った時、かすかに唇が動いた。


「ん……ま…ひ…」


――…まひ?


「えっ」


もしかして、名前呼ばれた?と顔を見たらまだ目は閉じてるし。

――…今の、なに?