「歩くの早くないですか」 「散々待たせてそれすか」 「だって聞いてなかったし、HR」 「――生憎、ゆっくりする時間なんてないんでね」 なんなんだこの生意気な生き物はよ!引っ張られる右手にはロマンチックの欠片もない。確かにわたしが待たせた立場だけど…。 「……ここ。ドウゾ」 グラウンドの一角にある古い建物。そこで彼は足を止めた。そして躊躇なくドアを開けてあたしを中に入れ込んだ。 「はーい、お待ちかね差し入れの人」 すると中にいた部員全員がガッツポーズをした。