「伊沢くんにお世話にはなってるんでしょ?」

「一応…今日はサッカー部の見学できることになった」


凄いじゃない、とストローを飲み終わったのか直し出す祐李。


「差し入れ持ってこい…の命令付きだよ」

そう言ってクリーム色の紙袋からタッパーを取り出した。


レモンのはちみつ漬け、とか?と身を乗り出してくる。そんなんじゃないよ、と否定して広げたのはクッキーだ。


「食べやすいのがいいかなって」

「確かにねー」


断りもなしにひょいと一枚つまみあげる祐李。ほんと、抜け目ない。