「遅いんだけど。つか、なんで逞磨の頭撫でてんの」

「見てたの?」


見えたんだよ、とぶっきらぼうな登駕がいた。うわ、拗ねてるのかこれは。


あれから、色々なことがあった。当たり前ながら、猶予なんてそんなに長く必要なくて。

友達以上口約束未満に達するのは容易で。


「妬いた?」

「別に」


とか言いながらも顔を赤らめていて反らされたらなんとも言えない。


「ごめんね?」

「だから妬いてなんか……っ」


頭に手を乗せたら黙ってくれた。なんかこういうとこ、年下だなぁって思う。



「あ、式の前のすみれ、ありがとう」

「別に…高校でも特命花壇係だろ?」