「真尋さんて、これ好きっすよね」
ん?と確認してみると、[昼間の紅茶]シリーズのミルクティーが握られていた。
こくんと頷けば、はい、と渡されてしまった。彼なりのお詫びらしく、ありがたく受けとる。
「なんでわかるの」
「だって。いっつもソレ片手に作業してるから。ガーデニング部ですっけ」
「……園芸です」
そこからは他愛ない話ばかりを繰り返した。会話中ずっと彼は「面白い人っすね」を連呼していたけども。
話の途中。突然登駕が信号で立ち止まり、あろうことか顔を近づけてきた 。
(はっ?はい?)
色っぽい唇だな…って変態か、わたしは。なんて考えていたわたしだけどだんだん近くなる。


