ドラマとかでよくあるだろ。忘れさせてやる、とかなんとか。そんなふざけた優しさで真尋を振り向かせたくはなかった。 「それでいいのか」 「真尋が今まであんなに頑張ったし。…俺も“ありのまま”でいたい」 「まぁ真尋さんには本性見せてたからな、お前最初から」 「……あぁ」 ほんとうに、好きになったヤツに、自分のほんとうを見て欲しかったから。