年下彼は手強いのです,


「なんっなの本当に」


一人ぶつぶつ呟きながら階段をのぼる。そろそろ部活も終わりなのか、トンボをかける野球部や片付けの音。


とにかく。


伊沢登駕と関わるとロクなことがない気がする。そんな予感がする。


もくもくと広がる雲をじいと見つめる。そうしながら「二重人格…?」なんてぼやいていたら。


「誰が二重人格だって」

「ひゃい?!」

「真尋さーん?」


後ろから急にだったから驚いてしまった。しかも、うっ…噂をすれば…。


「コンニチハ」