「あーもう、腹立つ…」


水やりが終わり、教室へ向かう途中。イライラしながら廊下を歩いていたら、クスッとした笑い声と聞き慣れたあどけない声が耳に入ってきた。


「カルシウム足りてないぞ?」

「祐李」


あたしの親友。野球部マネージャーの祐李が重そうな荷物を持っていた。小首をかしげられる。


「お疲れ?」

「お疲れ様。祐李こそ」


ショートヘアに黒いピンでばってんに止めてある髪型。ジャージに小麦色の肌。なんだかキラキラ眩しい。


「わたしはホラ、好きでやってるから」


活発ながら柔和で、みんなから好かれることこの上ない。ちょっぴりキツい時があったりするけどね。