始まりは貴方でした 「そこの人!! ちょっといいかな?」 その声に 安在心音(アンザイココネ)は 長い黒髪をふわりと揺らし 振り向いた 「あ…はい?」 男子と面識があまりないため、なれない様子 「これ、あなたのでしょ?」 手渡されたのは 赤いパスケース 「あっ…私の…」 安在心音、本人のものらしい 「ありがとう…ございます」