人魚姫の嘘



「…あ…ぁ…まだあんなに
小さい子供なのに
どうして…手放さなくちゃ
いけないのっ…!?」


ベラは大粒の涙を
あたしが出ていった後
流していた



「…仕方ない…
これがサラを守る
唯一の方法だったんだ…ウッ…」


フランクも涙を流した


「警察が、この辺りを
かぎまわって
教会にサラが居ることがバレた
きっともぅじき来るさ。
サラが捕まるぐらいなら
わたし達が捕まってやろう?」



「…ええ、勿論よ。
あの子のためなら…
この命捧げるわ…」


「サラには酷いことを
言ってしまった…」


「なら…祈りましょう
サラが幸せになるように…」


「……あぁそうだな
後は祈るだけだ…
わたし達は長く生きた
もぅそれで良い」



「そうね。
神様…どうか、どうかサラを
助けてあげてください
彼女に幸福を…」



バンッ!!


教会へ警察がやってきた
だが2人は祈る事を止めない

「おい!小娘を出さないと
お前達を撃ち殺す!!
さっさと出せっ!!!」


「神様…わたしがしたことを
許さなくても良いのです
でもどうか
この願い「聞いているのか!!」


「そしてこの想いを
彼女へ「死にたいらしいな」

ジャキンッ!


2人は寄り添い手を握り
警察へ見向きもしないで
弾が放たれたと同時に



「「わたし達の娘になってくれて
ありがとう」」







…2つの老いた魂は
天に召された…