それからあたしは
ひもじい思いをしなくなった

そしてあたしに名前をくれた
サラ・シーファス

全てフランクとベラのおかげ
この2人が大好きで
だからこそあの事件を話さなくては

と。決心した頃だった。





その日の新聞記事に…



「サラ、ちょっと来なさい」


「…はい。今行きます」




あたしの目の前に
記事を出された
何の不思議もなくあたしは
記事を手に取り読んだ



顔が青ざめていくのが解る



記事の内容は
紛れもない。
あの事件のことだった


そこにはあたしの写真も
載せられていた


「…ちっ違うの!
これは…あたしが」


「でもここにお前の写真が載せられている
立派な証拠だって、
指紋だってあるじゃないか」


フランクは頭を抱えて
絞り出すように言った


ベラも…


「……どうして…
サラは…」


涙を滲ませながら
言ってきた



……何でこうもタイミングが
悪いんだろう
嗚呼、きっと呪われてるんだ



肩の力がスッと抜けた



「…こんな殺人鬼がいたんじゃ
わたし達も危ないんだよ
……出ていってくれ」



「フラン「…サラ、二度と戻るな!」


ギロッと睨まれた
その眼差しが怖くて仕方がなかった


震える足で
扉を開いて、また
重い外へと歩いて行った



涙を流して…
聞こえるか聞こえないかぐらいの
声で「ありがとう」と添えて