「それで、明日の晩
俺たちの結婚式があるんだ
是非リースにも出てほしい」


………なんで私が
そんなの生き地獄じゃない



「そうね!
どうリースさん?」




………分かるよ
2人は悪気があって
言っている訳じゃない




でも酷いよ王子…




あんなに優しくして
今更…




「リース?」



《考えておきます
私、散歩に行ってきますね》


「あぁ…分かった
気をつけてな」



逃げたいっ!



この場から逃げたいっ…




階段を駆け降り
大きな扉をなんとか開けて
隙間から外へ出た



日の光が眩しい
潮の匂いが鼻をさす


お城の外の門をくぐると
目の前に海が広がる


走った。
ずっと走って


砂浜にヒールが
沈んで上手く走れない


転んでしまった


海水が飛び込んでくる
目にしみて熱い
でも目が…熱いのは…痛いのは…



海水のせいだけではない