ガタガタと砂利道を走っているのか
やけに揺れる馬車。
「揺れるな、結構
気分悪くない?」
「平気よ。かなり森の中なのね」
「ああ。もうすぐだよ」
そう言ってすぐに
森の暗さにパッと明るく陽がさした
耳には穏やかな波の音が響く
「着いたよ」
使いの者が馬車の扉を開けて
サラはゆっくり降りた
「…うわあ…!」
「綺麗だろ…ここ
だいぶ前に見付けた」
森を抜けたこの崖からは
視界いっぱいに広がる海
右には城が、砂浜も、
左には村や市場の一角が一望できた
「あれ、見て」
王子が指差す所に
1つの墓があった
王子とサラはぎゅっと手を握り
墓に近づく。
「……リース」
サラはリースと彫られた部分を
指でなぞる
その横で王子は花を添えて一言
「…ここなら、全部見えるから」
それと同時に風がビュッと吹いて
添えた花の花びらが
一枚飛んだ
高く、高く、
鳥の羽のように舞う天高く。


