人魚姫の嘘



ぎゅっと目を瞑り
描いた未来図を心の奥にしまいこんだ


…大丈夫
このドレスを着るのは
サラじゃない…


頭を切り替え
サラの部屋を後にした








日が登り、城の召し使いは
慌ただしく働いていた


私は人に目撃されぬよう
コソコソとしていたが


「リース様、おはようございます
どうかなされました?」


ナンシーに見つかった


私は作り笑いをして
首を横に振った
何でもない。 と言うように


するとナンシーは
切ない目をして
話せないか、と言ってきた