穂「…何故、由姫菜の名を?」

『僕は由姫菜と親密な関係なんでねえ?
 ふふ』






険悪な空気が漂う。
何故、君たちがそんなに怒る必要がある?





『由姫菜を捨てた君たちが何故そんなに怒っている?』

若「捨てて、なんか…っ」

『捨てただろう?
 君たちが裏切った日。
 由姫菜は抜け殻のような顔をして帰ってきたよ?』

宮「…、俺たちは…そんな」

『まあ。由姫菜の話はいいじゃないか?


 っと失礼。
 携帯が…』






携帯がなる。

この時間。



麗華か…






《もしもし…岬?》

『ああ。どうした?麗華』

《今から仕事、これる?》

『仕事?別にいいけど?』

《今回はとある若者ブランドの服の広告。
 ポップな感じ。

 それにあわせたメイクよろしく。》

『ああ。じゃあ、また十分後に』

《ええ》







『悪いね。
 僕仕事入ったから。』

氷「仕事?」

『モデルのメイクしに行くんだよ?』

実「え、椎名君ってメイクアーティストなの?」

『はい。
 棚秦麗華の』

「「「「「「「「「「「棚秦麗華あ!?!?!?」」」」」」」」」」

『まあまあ。
 今度つれてってあげますよ。


 僕のこと気に入らなかったら入部許可とかしなくてもいいんで。


 んじゃ』








手をひらひらとさせて部室から出る。


きっと入部できる。




彼らは…






由姫菜の情報を欲しているから。