今まで黙っていた執事の人が、そう言ってきた。


「何故だ?」


「私が来る前、秋雨様の部屋には内側から鍵が閉まっておりました。」


「何だと?では密室殺人と言うことか…」


「浅丘警部。これくらいで密室と言われると警部の名が泣くよ?」


「何だと?」


凱はニッと笑い私を見てきた。


「ときわ、君ならわかるんじゃないか?密室の基本中の基本を。」


「基本中の基本?」


「そうさ、簡単に手に入って簡単に仕掛けられる物だよ。」