気まぐれ探偵はお嫌いですか?

「竹永さん、いつもありがとうございます。今日もジャージ姿ですのね。」


「この格好が一番落ち着くんですよ。」


2人の会話にポカーンとしていると里美さんという、女の人が私に微笑んできた。


「竹永さんが女性の方を連れてくるなんて珍しいですね。彼女ですか?」


「違いますよ。彼女は近所に住んでいて、今度のパーティーの連れにするだけです。里美さん、彼女に合いそうなドレスを持って来てくれませんか?」


凱がそう言うと里美さんは、「畏まりました。」と言って行ってしまった。


「凱、どういうことですか?」


「何がだい?」


「あなた、お金持ちだったんですか?」


いつもジャージ姿で髪がボッサリだからてっきり、お金が無いのだと思っていた。