俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。


「おー、泉。なにしてんの?」



八重歯を見せながらあたしの顔を覗いて来たのは雅だった。



「あ、雅くん!」



コロッと表情を変えて雅の名前を呼んだのは生意気女だ。


雅と知り合い?



「あ、真菜ちゃん。おはよ」


「おはようございます♪」



なんなんだ、この態度の違い。


あたしと目が合うとあからさまにプイッと目を反らした〝真菜〟。



「雅、こいつと知り合い?」



小さな声で耳打ちすると……



「ん?真菜ちゃんは涼の妹だよ」


「は?マジ?」



この生意気な女が、

あのポーカーフェイス涼の妹!?