俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。


「いったぁ~……ちょっとアンタ!避けなさいよ!!」



怒鳴りながら、嫌味のようにあたしが差し出した手を掴まずに黒髪の一年生は立ち上がった。


……はい?

なに、この生意気な女。



「ぶつかって来たのはそっちだろ?なのに何で……」


「レディファーストって言葉、知らないのアンタ」



あたしも女ですけどね!

とは、言えないけど。



「そう言うお前は礼儀って言葉を知らないのか。俺、二年生」


「ふぅ~ん?」



あぁ、ホント生意気。


あたしが男の格好してなかったら殴ってたのに……


ピクピク眉が動いているのが自分でも分かる。ついでに手もグーになって震えている。