「あぁ、本当だよ」
「じゃあ遥は、俺達が遥を裏切ったら俺達を殺せんの?」
「それは……」
俺は無理だね、と続けた雅に遥は言葉を詰まらせていた。
確かに。
今でもあいつらのことは憎い。
あの日は最高に傷ついた。
でもあの日でさえ、
そんなには殴れなかった。
気持ち的には気絶させるぐらいに殴って殴って、したかったけど。
実際は回避する程度にしか殴っていない。
裏切られたとは言え、頭がパニクっていたからか直ぐには非情になれなかった。
「でも、ま。俺達桜の4人に裏切りはないでしょ」
イタズラ少年のような笑顔を見せながら、珍しく雅が悪魔の仮面をまとわずに言った。
それに涼は「当たり前」と続ける。
「雅がドSじゃない発言を……!?」
「黙れバカ遥」
「あー、戻った」
そして再び笑いに包まれた空間に戻った。