俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。


一方の遥も。



「マジで泉の美しい顔に傷つけられるとむかつくわぁ」



と、既に相手を倒していた。


そして涼の方も言うまでもなく、悠々と煙草をふかしていた。



「消えてくんない?」


「うん、邪魔だよね」


「消えろ」



遥、雅、涼の順にオッサン達を蹴散らす。オッサン達はフラフラした足取りで去って行った。


重苦しい空気は嫌いだ。


だから早く立ち去ろうとしたが体がやっぱり素早くは動いてくれない。


傷のせいでもあるが。



「たくっ……強情だなぁオイ」



そう言って遥があたしの腕を肩に乗せ、支えるように歩き出した。



「な、なにすんだよっ」


「泉を支えてんの」


「そんなの、分かってるし!」


「じゃあ聞くな」



もっともだ。