俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。


――…自分が自分の身体じゃないみたいだ。


動きが、鈍い。そして遅い。



「息上がってんじゃん、情けねぇ」



本当、情けない。


殴られんのはいつぶりだっけ……?


あぁ、そっか。確か涼とタイマンした時に一発殴られたきりだな。


口の中に血の味が広がる。


……おかしい。いつもなら胸やお腹の辺りがザワつくんだけどな。


今は全く戦意が湧かない。


地面に倒れたあたしは3人のオッサン達に袋叩きにされる。


だけど全く痛みを感じない。


自分のことなのに、
なんか傍観してるみたい。


諦めて目を閉じた時だった。



「おい、オッサン達」



聞き覚えのある声が聞こえたのは。