俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。


◇◇◇



「んー……」



いつの間に眠っていたのか、時刻はもうお昼になっていた。


まだ少し体が重たい。



「お腹減った……」



お腹に手を当てながら呟いた。


ベッドから起き上がり、部屋を出てリビングに向かう。



【お粥、温めて食べてね】



テーブルの上に、そう書かれた置き手紙が置いてあった。



チチチッ…


小さな鍋に作られたお粥を火にかける。蓋を開けてみると真っ白い中身が目に入った。



「いただきます……」



家のお粥は白いご飯に塩で味つけしただけのシンプルなお粥。


たまに、梅干しを入れたりするけど。



「ごちそうさまでした」



手を合わせて食器をシンクの中へ。
洗いたいけど、立っているのも辛い。


お父さん、ごめん。


と、心の中で呟いて部屋に戻った。