俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。


『絆、かぁ。絆はね―――』



――――――――…
――――――…
―――…



丁度いいところで目が覚めた。ケータイを見ると7時を少し過ぎた時間だった。


頭が痛い。そして頭がポーッとなる。


もしかして―――



「――38度5分…ね。学校休むでしょ?」



体温計をケースに入れたお父さんがあたしの頭を撫でながら聞いて来た。


答えはYESだ。


……涼にも会いたくないし。



「じゃあ、学校には電話しとくから。今日1日寝て、元気になってよ?」


「りょーかい……」



ニヘッと力なく笑うと、お父さんも目尻にシワを寄せて微笑んでくれた。


それに胸が安らぐ。