家に着いたのは朝方。
あたしの姿を見てお父さんはビックリしていたけれど、何も言わず、聞かずに優しく抱き締めてくれた。
その瞬間に目頭が熱くなって、止まっていた涙が再び溢れて出して来た。
お父さんの背中に手を回そうとしたけど、誰のかも分からない血をお父さんにつけたくなかったからやめた。
『お父さん……』
『ん?』
『絆って、なんなんだろうね……』
わからないよ……
あんなに大切にしていたのに。
あんなに一緒に居たのに。
あんなに大好きだったのに。
こんなのってないよ……
それが、あたしの本音だった。
理由がわからなかった。
裏切られた理由。
あたしを嫌っていた理由。
理由が見当たらない。



