俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。


情けな……


――今まで3人で笑っていた記憶は嘘偽りの思い出だったの?



3人で先生に悪戯した日も

3人で協力してケンカに勝った日も

3人でふざけ合った日も



3人で駆け抜けた日々の全てを、あたしだけが何も知らずに過ごしていたの?


……馬鹿じゃん。



その日の帰りはよく覚えていない。


覚えているのは、ただひたすらにケンカして帰ったことだけ。


誰かにぶつけたくて

この怒りを悲しみを消したくて


無我夢中に誰かを殴りつけてた。


両手の感覚が無くなるまで。いや、無くなっても尚やり続けた。



―――黄金の桜と呼ばれだしたのも、これがきっかけだった。