その時、遥のスマホの着信音が鳴った。



「おっ、瞳ちゃんじゃーん。もしもし、瞳ちゃん!?」



電話をとった遥に顔を引きつらせる。


……おい。誰だよ、瞳って。

昨日は香奈って女と一緒じゃなかったか……?


……さすが、女好きだな。


それにしても。
黄金の桜って、すごいやつなんだな……。


考えれば考えるほど、そう思えてならない。


昨日見た彼女の綺麗な顔や目、金に輝く髪を思い出すだけで胸がギュッてなるのは気のせいか?

結局あの後すぐに立ち去ってしまったから話かけられなかったし。


もう一度、会いてぇ。

空を見上げ、煙草をふかしながらそう思った。



「2人ともおっはよーっ!!」



屋上の扉がバーンッと開いた。


反射的にそこを見ると俺たちの仲間の桜田雅(さくらだみやび)が笑顔で立っていて。


俺は手を上げて応えた。