俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。


◇ ◇ ◇



「バカ兄貴、起きろぉー!!」



ドスンッと体に激しい重みを感じて、俺は目を覚ます。


目を開くとセーラー服を着た真菜が俺の上に乗っていた。



「重い……」


「重くないですぅー!軽いからぁ」



口を尖らせて憎まれ口を叩きながら真菜は俺の部屋を出て行った。


上半身を起き上がらせて欠伸をしながら髪をワシャワシャとかき混ぜる。


眠い……


まだ覚めない頭のままリビングに向かうと母さんと父さんはとうに家を出ていた。


共働きだからな。



「じゃーん!あたしと真菜ちゃんで作ったんだよ」



セーラー服の上にエプロンをした沙羅がテーブルを差して笑った。


テーブルの上には味噌汁や卵焼きに白ご飯、これぞ日本の朝飯だと言われるものが並んでいた。