俺と沙羅は近くにある公園に来ていた。
俺の少し前を歩く沙羅。
その後ろ姿をただ見つめる。
ムカつく。
沙羅を殴る親父が……
「昔さ、ここでよく2人で遊んだよね」
「…そうだっけ?」
「そうだよ!」
砂場に座り込んでいる沙羅の隣に立つ。
夜の風が頬をかすめた。
「……よく泣かされてた」
「俺、お前泣かせたことあるっけ?」
「涼じゃなくて、同級生の男子に。…それで涼が何回も助けてくれた」
あぁ、そうだった。
そのおかげでケンカ、強くなったんだよな。
誰よりも
何よりも
強くならなきゃいけなかった。
そうじゃなきゃ
沙羅を守れなかったから―――



