俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。


振り向くとそこには口をポカーンと開けた2人が居て。



俺は首をかしげた。




「沙羅ちゃん、かわいそー……」


「天然で鈍感……それを世間では馬鹿って言うんだよ?涼」




呆れ顔な遥に、さりげなく〝馬鹿〟を強調する毒舌な雅。



意味わからん。




「馬鹿はアホだからな」


「ケンカが強くても、それじゃあ女の子にモテないよ」




……いやいや待て。

なぜ俺はそこまで言われなきゃならないんだ?



理由を教えてくれ。




「あーあ。気の毒な沙羅ちゃん」


「なんで?」


「はぁ~」




だから、そのため息の理由を教えろよ。