なのに。
会えず終いってどうゆうことだよ……
「涼?大丈夫か?」
「あぁ、悪ぃ。……大丈夫」
無理やり口角を上げた俺に泉は「そっか」と笑った。
前も思ったけど、泉は笑ってた方がいい気がする……
言わねぇーけど。
「いっずみ、せんぱーいっ♪」
「げ」
バタバタ走って来るのは紫頭の1年生。その紫頭を見た泉は眉間にシワを寄せた。
またコイツか……
戦争があった日からこの紫頭が何かと泉にしつこくしているのを何度も見た。
「今日こそ弟子にしてくださいよぉ~」
「絶対やだムリ」
「いやいや、待って下さいー!」
早口でそう言った泉はそそくさと教室に入ろうとした。
……が。紫頭が泉の腕を取ってひき止めた。