「やっぱ強いんだなぁ」




上から唐突に話しかけて来たのは遥だった。



「お、遥じゃんっ」



すぐ目の前にある階段を遥が、ゆっくりと降りて来ていた。



「遥、か……」


「俺の名前、覚えててくれたんだ!?」



階段の最後の二段をピョンッとジャンプして、あたしに笑いかけた。



「……いや、忘れた」


「今オレの名前言ったばっかじゃん!」


「じゃあ忘れる」


「なぜっ!?」



遥のテンションがやたらウザく感じてしまうのは何でだろう……。



「まあ、仲良くしよーね?泉ちゃん♪」


「ケンカ売ってる?」


「怒った顔もかわ…ぎゃあー!!」



男の急所に、鋭い蹴りをぶちかましたのは言うまでもない。