なるほど……
「1年生でも強ければ頭になれるってことか」
「そーゆうこと。涼は去年の今日、同じように戦争してここの頭になった」
マジか。すごいな……。
想像してみてもすごい。1年生がいきなりやって来て、それまで頭だった人を倒したんだろ?
やば……鳥肌たったし。
「あいつより強い奴が居るなら教えてほしいぐらいに涼は強いよ……」
雅の表情は難しかった。尊敬している眼差しだが、どこか哀しい瞳。
そりゃそうだ。雅もけして弱いわけじゃない。むしろそこらへんの不良の中なら強いはず。
なのに〝涼〟という存在が目の前に居るだけで雅は物凄く自分が劣っているように感じてしまうのだ。
―――劣等感。
本当は強いのに、涼と比べると弱く見えてしまう。それが雅は嫌なんだと思う。



