俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。



バタバタバタッと何層にも重なって地響きすらする足音。


あたし以外の人が走り出した。


……戦争って、そういうことか。


新入生 対 在校生って感じ?



「はっ……おもしろ」



みんなが殴り合っているトコから少し離れた場所にあたしは居る。


あたしに気づく奴はまだいない。


とりあえず学ランの襟から出ているパーカーのフードをかぶった。



「おら゙ぁ!」



後ろから殴りかかって来た紫頭の男。それを分かっていたあたしは素早く振り向いて男の腹に蹴りを入れる。


すると紫頭の男は、ズラリと並んだパイプイスに勢い良く倒れ込んで行った。



「っ……つよっ……」



そう呟いた紫頭を睨み付けて体育館を出た。