俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。







結局、戦争について何も分からぬまま、あたしは入学式に参加していた。


在校生は新入生の後ろでイスに座って、ただボケッとしているだけ。


桜の連中は居ない。

きっと、どこかでサボっているんだろう。


それにしても、カラフルだなぁ。


後ろから新入生の髪を見てそう思った。
赤、青、灰、茶……キャンパスか。


逆に黒が目立つな。

あたしも黒にしよっかな……なんて。


あたしの特徴はこの金髪。
変えたらあたしじゃなくなるよね。



『これをもちまして第106回A中学校入学式を閉会いたしますっ……』



教頭はあわてた様子でそう言うと、そそくさと体育館を出て行った。


ん?なんだ?


教頭の他にも先生達や来賓、保護者全員が体育館から逃げるように退室している。