涙が溢れ出て、止まらない。
涼の声がどんどんかすれていく。
「お前に、言いたいことあんだよ……」
そう言ってから涼は意識を手放した。
あたしの頬に触れていた手は、地面に落ちた。
先生たちが今頃になって飛び出てきた。
パトカーのサイレンの音がが近づいてくる。それを聞いた竜王会たちがその場を後にしていった。
涼は救急車で運ばれた。そのあと3日が経っても意識は戻らなかった。
あたしは病室から一歩も出たくないと言わんばかりに涼のそばにはりついていたが、面会時間も限られているので雅や遥に無理やり外へ出された。
医者は「もしもの場合も覚悟していてください」と言っていたらしい。涼の母親からそう聞かされた。
真菜はあたしの姿を見て驚いていた。
でも説明する元気はあたしにはなかった。
でも真菜は「変わってないね」と一言だけ告げてきた。それがどういう意味なのかはわからなかった。



